特許情報(第66回)中国:専利審査指南の改正について
2025.12.23
中国国家知識産権局は、2025年11月に「専利審査指南」の改正を公布しました。改正審査指南は2026年1⽉1日より施行されます。以下に主な改正内容をまとめます。
1.新分野や新ビジネスモデルに対する保護制度の改善
(ⅰ) 植物品種の定義の明確化
植物品種の定義を明確化し、特許保護の対象となり得る範囲が拡大されました。
(ⅱ)人工知能に関する特許出願
人工知能に関する発明について、データ収集、タグ管理、ルール設定、推薦・判断などの内容が、法律・社会道徳・公共利益に反する場合は特許を受ける事ができません。また人工知能に関する発明についての進歩性の判断基準や、明細書の記載要件が整備されました。
(ⅲ)ビットストリームに関する特許出願
クレームの主題が「ビットストリーム」のみに関わる場合は、保護対象とはなりません。また、クレームの主題が「ビットストリーム」ではないとしても、全ての内容がビットストリームの構造のみである場合には、保護対象とはなりません。ビットストリームに関する特許出願書類の作成方法が整備されました。
2.審査基準の最適化
(ⅰ) 「一案二出願」(特実同日出願)の取扱いの見直し
従来は、発明特許と実用新案特許を同日に出願する「一案二出願」において、発明特許出願の補正または実用新案権の放棄によりダブルパテントを回避することができました。改正後は実用新案権の放棄によってのみ、ダブルパテントを回避することができます。また、今後は、出願段階で「発明特許」か「実用新案特許」であるかを明確に選択することが推奨されます。
(ⅱ)進歩性の判断基準の見直し
技術的課題の解決に寄与していない特徴は、仮にクレームに記載されていても、一般的には発明の進歩性に影響を与えないことが明確化されました。
(ⅲ)無効審判の請求人適格の見直し
ダミーによる無効審判を規制するため、無効審判請求人の「真意」が反映されない場合には無効審判請求が受理されないことが明確化されました。
3.その他の関連規定の改訂
(ⅰ)発明者の要件
発明者は個人(すなわち自然人)でなければならず、願書には発明者全員の身元情報を記載し、その情報が真実であることを保証しなければなりません。
(※なお、外国人発明者の身元情報については、現時点では「氏名」および「国籍」のみの記載で問題ないと判断されますが、施行後に変更等ございましたら随時お知らせいたします。)
(ⅱ)配列表の出願割増料金の算定
出願書類の明細書(図面及び配列表を含む)が30ページを超える場合、又は請求項が10を超える場合に発生する出願割増料金について、所定の様式に従って提出されるコンピュータ読み取り可能な配列表については、ページ数は算入されません。
(ⅲ)分割出願の優先権主張
原出願において優先権を主張していても、分割出願の願書に優先権を主張した旨が記載されていない場合、分割出願は優先権を主張していないものとみなされ、審査官により通知が発行されます。
(ⅳ)特許期間補償(PTA)
不服審判請求人が提出した新な理由又は証拠に基づいて拒絶査定取消審決が出された場合、不服審判手続において生じる遅延は権利化のための合理的な遅延に該当することが明確化されました。
(出典:中国国家知識産権局ホームページ)