特許情報(第73回)米国:PIERパイロットプログラムの導入について
2026.5.29
米国特許商標庁(USPTO)は、2026年5月21日より、PCT国際段階の成果物を活用した新たな審査運用として、PIER(PCT Informed Examination Request)パイロットプログラムを開始しました。本プログラムは、審査効率の向上および審査期間の短縮を目的とするものです。
1.概要
PIERは、国際段階の調査報告書(ISR)、見解書(WO)等を活用し、米国における審査を効率化する仕組みです。対象は、未審査のPCT出願に基づく米国ナショナルステージ出願に限定されます。下記は対象外です。
・通常の米国出願
・植物特許および再発行出願(35 U.S.C. §111(a)に基づく出願)
・意匠出願(ハーグ協定に基づくものを含む)
なお、対象案件はUSPTOが裁量で選定し、出願人は参加・辞退を選択できません。
2.出願人の対応
対象に選定された場合、USPTOからの通知(RFI)に対し、以下のいずれかを選択し、2か月以内に応答する必要があります。期限内に適切な応答がなされない場合、出願は放棄されたものとみなされます。
・審査を進める
・審査を最大12か月延期する
・出願を放棄する
3.実務上のポイント
本プログラムにより、出願人は審査開始時期を調整できるほか、審査前に補正を行う機会が与えられます。一方で、通知を受けた場合は、迅速な対応判断が求められます。
4.実施期間
本プログラムは、2027年4月9日まで実施予定ですが、USPTOの裁量により変更される可能性があります。
(出典:USPTOホームページ)