外国人労働者との職場づくり|社内文書の多言語化と環境整備

2025.6.25

  • 翻訳あれこれ
外国人労働者との職場づくり|社内文書の多言語化と環境整備

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    日本の労働市場は、近年ますます多様化しています。

    厚生労働省によると、2024年時点の日本で働く外国人労働者は230万人を超え、前年比で25万人の増加となりました。これは全就業者の約3.4%に相当し、今後もその数は増加すると見込まれています。

     

    国籍別で見てみると、ベトナムが最多の57万人(外国人労働者全体の約25%)、次いで中国が40万人(約18%)、フィリピンが24万人(約11%)と続き、「外国人労働者」とひとくくりにいっても、言語も文化もさまざまです。

     

    こうした中、企業では言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題が顕在化しており、社内文書の整備やサポート体制の見直しが急務となっています。

     

    本記事では、外国人労働者との円滑なコミュニケーションを実現するためのポイントと、活用可能な助成金制度についてご紹介します。

    とらんちゃん

    外国人労働者にとっても、受け入れる側にとっても、言葉や文化の壁は大きいよね。
    どう乗り越えるか、どのような制度が利用できるか、この記事で一緒に学んでいこう!

    外国人労働者とのコミュニケーションが重視される理由

    外国人労働者は、製造・介護・飲食・ITなど、さまざまな業種で活躍しており、日本の経済を支える重要な存在です。

    しかし、異なる言語や文化の中で働く外国人労働者にとって、職場で発生するコミュニケーションのすれ違いが、不安やストレスの原因になることもあります。

     

    その結果、業務上のミスやトラブル、さらには離職につながるケースも少なくありません。

     

    一方で、コミュニケーションが明確に取れる職場では、業務効率や従業員満足度が向上し、定着率の改善にもつながることが分かっています。「伝わる」環境づくりは、企業にとっても大きなメリットがあるのです。

    外国人が安心して働ける職場づくりの3つの工夫

    では、具体的にどのような取り組みが効果的なのでしょうか?

    ここでは、外国人労働者が安心して働ける職場づくりのための3つのポイントをご紹介します。

     

    • 1.労働条件を理解できる言語で提示する

    外国人労働者の多くは、日本の労働法や雇用慣行に不慣れです。

    企業と労働者の関係の根幹となる就業規則や労働条件を、外国人労働者の母語または「やさしい日本語」でわかりやすく伝えることで、誤解やトラブルを未然に防ぐことができます(「やさしい日本語」については後述をご覧ください)。

     

    • 2.業務に関する情報の共有方法を工夫する

    業務マニュアルの多言語化や図解・動画を活用することで、言語の壁を越えた情報共有が可能になります。

    また、社内の標識や掲示物も多言語対応にすることで、日常的なストレスを軽減できます。

     

    • 3.精神的なサポート体制をつくる

    言葉の壁だけでなく、文化や生活習慣の違いから、外国人労働者が孤立感を抱くこともあります。

    社内イベントやコミュニティづくりを通じて、安心して相談できる環境を整えることが、職場定着のカギになります。

     

    他にも、厚生労働省が策定した「外国人従業員とのコミュニケーションのコツ(コミュコツ)」では、伝え方や話の聞き方の工夫が紹介されていますので、ぜひチェックしてみてください。

     

    とらんちゃん

    良好なコミュニケーションには、歩み寄る気持ちが一番大切!
    ちょっとした工夫や気づかいがあるだけでも、嬉しくなるよね。

    外国人労働者の就労環境整備に使える助成金とは?

    外国人労働者を雇用する企業にとって「従業員が安心して働ける環境を整えたい」という思いは共通です。

    そんな企業を支援するために、外国人労働者の就労環境整備を目的とした助成金制度というものがあります。

     

    制度を活用することで、翻訳やマニュアル整備などの費用負担を抑えつつ、快適な職場づくりを進めることができます。

    人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

    この助成金は、外国人労働者が長く働き続けられるよう、労働条件の明確化や多言語対応、相談体制の整備などにかかる費用を一部支援する制度です。

     

    助成金の申請には、事前の計画作成や導入準備が必要です。申請にはある程度の期間が必要なため、早めの準備をおすすめします。

     

    支給要件や申請方法などの詳細は、厚生労働省のWEBサイトをご確認ください。

    ※翻訳センターでは、助成金の申請代行や手続き支援は行っておりません。申請に関する詳細は、必ず厚生労働省の公式情報をご確認ください。

    多言語化が企業にもたらすメリットと翻訳センターのサポート

    外国人労働者の受け入れが進む中、企業の現場では「伝える」から「伝わる」への転換が求められています。

    就業規則、業務マニュアル、安全衛生指針、研修資料などの社内文書は、従業員の理解度や行動に直結するため、理解のズレが生じないように正確に伝えることが重要です。多言語化により、安心感や信頼感が生まれたり、業務ミスや事故防止にもつながります。

    こうした背景から、国や自治体も「就業規則等の多言語化」を助成金の対象とするなど、企業の取り組みを積極的に支援しています。

     

    翻訳センターでは、これらの社内文書の多言語翻訳を多数ご依頼いただいており、業界特有の用語や表現に精通した翻訳者が、現場で「伝わる」文書づくりをサポートします。

    【翻訳センターの多言語化サポート】

    • 80言語以上に対応
      英語・中国語・ベトナム語・タガログ語をはじめ、幅広い言語に対応しています。

     

    • 複数言語もワンストップで対応
      一つの言語から複数言語へ。経験豊富なプロジェクトマネージャが一括管理します。

     

    • 翻訳だけじゃない!多言語対応をトータルサポート
      DTP、動画字幕、ナレーションなど、多言語化に関わるサービスを取り揃えています。

    「やさしい日本語」も「多言語化」として認められている

    外国人労働者を複数名雇用していて、彼らの母語が異なる場合、「何語に翻訳すべきか?」と悩む企業も多いのではないでしょうか。この場合、「やさしい日本語」を活用するという方法もあります。

     

    「やさしい日本語」とは、相手に配慮した、理解しやすい日本語のことをいい、助成金制度(※)でも多言語化の一つの方法として正式に認められるようになりました。

    「多言語翻訳」や「やさしい日本語」について紹介している記事もあるので、ぜひチェックしてみてください。

    翻訳センターでは、このような「多言語化」対応に関するアドバイスやご提案も行っています。

    お気軽にお問い合わせください。

     

    ※人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、令和7年度から多言語化の要件として、対象外国人労働者すべての第一言語等に対応する代わりに、表記する日本語を平易なものとすることでも可、と条件が緩和されています。

    とらんちゃん

    外国人スタッフが安心して働ける環境って、他の従業員にとっても働きやすい職場になるよね。
    ぜひ、できることから始めてみてね!

    まとめ

    いかがでしたか?
    外国人労働者の就業環境を整えることは、企業にとっても、社会全体にとっても大きな価値をもたらします。
    言葉の壁を越えたコミュニケーションの実現に向け、誰もが安心して働ける職場づくりの足がかりとして、ご紹介した助成金制度の活用も検討してみてはいかがでしょうか。

    この記事が、皆さまの職場をもっとよくできる一歩となりますように。

     

    社内文書の多言語化や「やさしい日本語」対応に関するご相談・お見積もりは、下記よりお気軽にご相談ください。

    ここまでお読みいただきありがとうございました。

    翻訳センター ブログチーム

    とらんちゃん

    とらんちゃん

    「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。

    • 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
    • モットー何でもトライ!
    • 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。

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