イタリア語の特徴とは?基礎や翻訳時の注意点を解説|ことログ

公開日:2026.2.12 (更新日:2026.2.12)

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イタリア語の特徴とは?基礎や翻訳時の注意点を解説|ことログ

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    先日、イタリアのミラノとコルティナ・ダンペッツォを舞台に、2026冬季オリンピックが開幕しました。開・閉会式や競技の中でイタリア語を耳にする機会が増えそうですね。

    イタリア語といえば、ピッツァやパスタなどの食べ物の名前や、音楽用語のアレグロ(速く、生き生きと弾く)、アダージョ(緩やかに)といった言葉が日本でもお馴染みです。食文化や芸術を通じて、日本とイタリアは古くからの交流があります。オリンピックをきっかけに、イタリア語の魅力に触れてみるのも面白いかもしれません。

    この記事では、イタリア語の概要や特徴、イタリア語翻訳を依頼する時の注意点についてご紹介します。

    とらんちゃん

    とらんは、このあいだ看板に「トラットリア(Trattoria)」と書かれたイタリアンレストランに行ったんだけど、トラがやっているお店じゃなくて、「食堂」という意味のイタリア語なんだって。
    イタリア語って身近にたくさんあるんだね。

    イタリア語の概要

    イタリア語は、イタリア本国を中心に世界で約6,100万人が話す言語で、学習者も多く人気の言語です。美しい表現と豊かな文化を持つイタリア語の歴史や役割、魅力についてご紹介します。

    イタリア語の起源

    イタリア語は、ラテン語を起源とする言語で、ロマンス諸語の一つに分類されます。古代ローマでは、書き言葉としての「古典ラテン語」と、日常で使われる話し言葉の「俗ラテン語」がありました。ローマ帝国の衰退後、俗ラテン語は地域ごとに変化し、中世にはイタリア半島の各地で異なる言葉が話されるようになります。これらは現在でも方言として残っています。

    一方、古典ラテン語は長く書き言葉として使われ続けましたが、13世紀以降、話し言葉で書かれた文学が登場します。代表的なものがダンテの『神曲』で、古典ラテン語ではなく、俗ラテン語から変化した話し言葉である「トスカーナ方言」で書かれました。詩人のペトラルカやボッカチオもトスカーナ方言で作品を残し、これら著名な文学を通して、トスカーナ方言は広く浸透しました。
    ※「トスカーナ」は、イタリア中部に位置する州でフィレンツェやピサ、シエナといった地域がある。美しい田園風景と豊かな食事やワインで、多くの観光客に愛されている。

    こうした歴史的背景のもと、1861年のイタリア統一後、トスカーナ方言を基盤とした「標準イタリア語」が公用語として採用され、徐々に全国に広がっていきました。

    文化的に高い価値を持つイタリア語

    イタリア語は、その美しい音の響きで広く知られています。発音の流れがなめらかでリズミカルなので、日常の会話でも音楽のように聞こえると言われます。この特徴から音楽や芸術との相性がよく、特にオペラの世界で長く愛されている言語です。一般的な歌は現地の言葉に翻訳されることが多いですが、オペラは今でも世界中で多くの作品がイタリア語で上演されています。

    またイタリアはルネサンス発祥の地であり、その時代にイタリア語で書かれた美術・音楽理論や文学はヨーロッパ文化の中心的役割を果たしました。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿やミケランジェロに関する記録も当時のイタリア語で残されており、芸術や建築の知識を広める手助けとなりました。冒頭で登場した、現在世界共通で使われる「アレグロ」や「アダージョ」といった音楽用語がイタリア語であるのも、その歴史的影響力の名残です。

    こうした背景から、イタリア語は今も昔も、文化的に高い価値を持つ言語だと言えるでしょう。

    スカラ座:ミラノにある歌劇場
    ミラノのドゥオーモ(大聖堂)

    ビジネスにおけるイタリア語の重要性

    イタリアはG7加盟国であり、EU内でも第3位の経済規模を誇ります。高級ファッションやデザイン、食品・ワイン、自動車産業は世界的に評価され、日本との貿易も活発です。

    イタリアの産業構造の特徴は、中小企業が非常に多いことです。ファッション・デザイン、食品・ワインなど「Made in Italy」として知られる製品の多くは、職人技を生かした中小企業や家族経営企業により支えられています。そのため、こうした分野で現地企業と協働する際には、信頼関係の構築が成功の重要な要素となり、イタリア語の理解がその鍵を握ります。

    イタリア語を学ぶメリット

    イタリア語を学ぶことは、単なる言語習得以上に、人生の質も豊かにする、多くのメリットがあります。

    • 本場の芸術・ファッション・スポーツに現地語で触れることができる
      イタリアといえば、世界的なファッションブランドやおしゃれなデザインで有名です。またスポーツも盛んで、サッカーは世界トップレベルの強豪国として知られ、日本の有名選手が多数、セリエA(アー)でプレーしています。最近ではバレーボールでも、イタリアのプロリーグに移籍して活躍している日本人選手が話題になっています。
    • 旅行の満足度があがる
      食文化も魅力的で、ティラミス、ジェラート、マリトッツォなど日本で流行したスイーツにもイタリア発祥のものがたくさんあります。さらに、イタリアは世界遺産の数がとても多く、旅行先としても人気があります。イタリア語でちょっとした挨拶や注文ができるだけで、旅の楽しさは何倍にもなります。イタリア語を学ぶことで、現地の文化や情報に直接触れられるのはメリットの一つです。
    • 日本人にとって親しみやすく、学びやすい
      イタリア語はアルファベット言語なので新しい文字を覚える必要もなく、ピッツァ、パスタなど日本の生活に溶け込んだ言葉も多いので、学習に取りかかりやすいのも大きな魅力です。
      次の項目で詳しく説明しますが、日本人にとって発音しやすい言語である点、英語の単語と語源が同じでよく似た単語が多くあり、覚えやすい点も特徴です。
      ここからは、イタリア語の特徴をさらに詳しくご紹介します。

    イタリア語の特徴

    イタリア語は日本人にとって、発音しやすい言語ですが、日本語にはない文法上のルールが多くあります。
    イタリア語の特徴をご紹介するために、発音と文法ルールの一部をご紹介します。

    発音は覚えやすいがアクセントが難しい

    イタリア語には「a, e, i, o, u」の5つの母音があります。日本語の「ア、エ、イ、オ、ウ」とよく似ていますが、日本語より少し口を大きく開けて発音すると、イタリア語らしい響きになります。文字も英語のアルファベットとほぼ同じで、多くの場合、ローマ字読みで問題ありません。

    イタリア語らしく発音するために大切なのが、アクセントです。アクセントがあるところは、声を少し強めて発音します。イタリアンレストランで「マルゲリータ」「ペスカトーレ」といったメニューを見たことがありませんか?この「リータ」「トーレ」の部分が、アクセントがあるところです。

    イタリア語の単語は、いくつかの「まとまり」に分けて発音します。例えば、Amore(アモーレ)は「a(ア)」「mo(モ)」「re(レ)」と3つに分けて発音します。この11つのまとまりの中で、どこを強く読むかを示すのがアクセントです。アクセントが置かれた部分が母音で終わるときは、母音を少し長く伸ばして発音します。

    アクセントが置かれる位置は、一般的に次の順で多く見られます。

    1. 後ろから2番目のまとまり
      【例】

      Amore(アモーレ) 愛 →「a(ア)」「mo(モ)」「re(レ)」

      Milano(ミラーノ) ミラノ → 「mi(ミ)」「la(ラ)」「no(ノ)」

      Mamma(マンマ) 母 → 「mam(マン)」「Ma(マ)」

    2. 後ろから3番目のまとまり
      【例】
      Napoli(ナーポリ) ナポリ → 「na(ナ)」「po(ポ)」「li(リ)」
    3. 一番後ろのまとまり
      【例】
      Cit(チッ) 町 → 「Cit(チッ)」「tà(タ)
      ※一番後ろにアクセントがある場合は、必ずアクセント記号が付きます。この場合は母音を伸ばしません。
    とらんちゃん

    ペペロンチーノ、カルボナーラ、ボロネーゼ、カプチーノ・・・
    とらんの好きな食べものも、みんな後ろの方にアクセントがあるね。

    名詞・形容詞に性数変化がある

    【例】
    男性名詞:ragazzo(少年)、libro(本)、Giappone(日本)
    女性名詞:ragazza(少女)、rivista(雑誌)、Italia(イタリア)

    一般的に、男性名詞は語尾が「-o」、女性名詞は「-a」となる傾向にあります。「-e」で終わる名詞には一定の法則がなく、男性・女性どちらの場合もあります。名詞の性によって、冠詞や形容詞の形も変化します。

    【例】
    Un ragazzo alto (背の高い少年)
    Una ragazza alta(背の高い少女)

    名詞が複数形になると、語尾は次のように変化します。

    名詞が複数形になると、形容詞も複数形に変わります。変化の仕方は基本的に名詞と同じです。

    【例】
     Ragazzi alti(背の高い少年たち)
     Ragazze alte(背の高い少女たち)

    動詞の活用がとにかく多い

    イタリア語は動詞の活用が多い言語です。主語による変化、単数・複数での使い分け、時制や話法による変化があります。例として、「mangiare」(食べる)という動詞の変化を表にまとめてみます。

    活用が多くて覚えるのが大変そうと思わなくても大丈夫です。例外はあるものの、イタリア語の動詞は概ね3つのグループ(動詞原形の語尾が「-are」、「-ere」、「-ire」の各グループ)に分けられ、同じパターンで規則的に変化します。また過去形の中で最も使用頻度の高い直説法近過去は「avere」という動詞を前に付けることになっており、この「avere」が形を変えるだけで、本体の動詞の形は一つです。仕組みを理解すれば、思ったより覚えやすいですよ。

    とらんちゃん

    複雑に見えるけど、仕組みを理解して覚えれば、ぐっと楽になるね!


    感情表現を豊かにする変意名詞

    イタリア語の魅力の一つは、感情表現が非常に豊かな点にあります。その特徴を示す例として、変意名詞をご紹介します。名詞や形容詞に特定の語尾を付け加えることで、その単語の本来の意味に特別な意味やニュアンスを付け足すことができます。例えば「casa」(家)に対して「casetta」は「小さな家」、「casone」は「大きな家」を意味します。通常、「小さな家」「大きな家」はそれぞれ名詞+形容詞で「casa piccola」「casa grande」と表現しますが、これは単純に小さい・大きいという事実を説明しています。これに対して「casetta」には、親しみや愛情、かわいらしさなどの感情的ニュアンスが含まれます。日本語にすると、「ちっちゃな家」といった感じです。「casone」も同様に、親しみや驚き、皮肉の意味が含まれているかもしれない「でっかい家」となります。

    イタリア語では日常会話から文学作品まで、このような変意名詞が頻繁に用いられ、言葉に温かみや個性を与えています。

    変意名詞:特定の語尾を加える

    【例】
    「casa」(家)

    単語の結合が手ごわい

    イタリア語を学び始めると、辞書で調べても出てこない単語に出くわすことがあります。実は、イタリア語では単語同士がくっついて一つの形になることがよくあるのです。たとえば、前置詞と定冠詞が結合して a + la → alla となったり、動詞と代名詞が合体して porta + me + lo → portamelo という形になります。

    英語でもI + am → I’mのように単語が結合することはありますが、イタリア語では特にアポストロフィーのような印もなく結合していることが多々あるので、初学者には少々手ごわいかもしれません。

    慣れてくると「これは二つの単語がくっついているな」とわかるようになりますが、特に動詞+代名詞の組み合わせには要注意です。辞書で「portamelo」を探しても見つからないのは、もともと「porta」(持ってきて)+「me」(私に)+「lo」(それを)という3つの要素からできているからです。

    最初は戸惑うかもしれませんが、仕組みを知っておくと、文章を読むときも会話を聞くときも理解しやすくなります。

    イタリア語翻訳の注意点やポイント

    ここまでご紹介してきたように、イタリア語には日本語と異なる注意すべきルールが複数あります。イタリア語に翻訳する際の注意点やポイントを改めて確認したいと思います。

    桁区切り・小数点

    イタリア語では、数字の書き方が日本語や英語と少し異なります。桁を区切るときにはピリオド(.)、小数点にはコンマ(,)を使うのが一般的です。たとえば、日本語で「1,234.56(千二百三十四・五六)」と書く場合、イタリア語では「1.234,56」となります。これは、ラテン語圏で古くから小数をコンマで区切る習慣があったことに由来し、スペインなどヨーロッパの他の国でも同様の表記が見られます。桁区切りや小数点の書き方は、多言語翻訳で注意すべき基本事項の一つです。

    多言語翻訳の基本|注意点や仕向地の選び方は?

    イタリアには多くの方言が存在する

    イタリアには多様な方言が存在します。その違いは単なる発音や語彙にとどまらず、言語学的には方言というより別の言語とみなされることもあるほどです。画像の地図は、イタリアで話されている方言を言語学的区分に基づいて、色分けしたものです。複数種類の方言をまとめて一つの色に区分しているところもありますが、それでもこれだけの異なる方言・言語があることがわかります。

    例えば「少年」を意味する単語は、標準イタリア語では「ragazzo」ですが、南部のナポリ方言(以下、地図上の①、淡い黄色の「campano(カンパニア方言)」のグループに属する)では「guaglione」、北東部のヴェネト方言(以下、地図上の②、紫色の「veneto(ヴェネト方言)」)では「tošo」と、まったく異なる言葉になります。こうした違いは挨拶にも表れます。標準イタリア語では親しい人に会ったときに「Ciao!」と挨拶しますが、ナポリ方言では「Uè!」と挨拶します。「Ciao」は親しみやすい一般的な挨拶で、「こんにちは」ですが、「」は「よう!」に近く、仲間内で使う呼びかけのような響きがあり、地域文化の違いも感じ取れます。

    イタリア語の方言
    Flanker, Wento, Albertopelis, Public domain, via Wikimedia Commons

    なお、ビジネス文書や公的な文書は原則、方言ではなく、「標準イタリア語」で作成されます。翻訳においても「標準イタリア語」を原則としますので、仕向地(方言)を指定する必要はありません。もし、現地の方向けのカジュアルな動画を翻訳する場合は、方言を指定いただくと、親しみやすく、味のある動画にできるかもしれませんね。

    翻訳依頼時における英語とイタリア語の違い

    イタリア語日本語、または日本語イタリア語の翻訳依頼を検討する際に覚えておきたいのは、イタリア語の翻訳者は英語翻訳者に比べて少なく、希少性が高いということです。そのためイタリア語翻訳は英語翻訳よりも料金が高くなる傾向があります。日本語から翻訳する場合の相場は、日本語英語翻訳の約1.5倍程度といわれています。分量の多い案件や納期に余裕がない案件では、翻訳者確保のため、早めのご相談をおすすめします。また、日本語からではなく、英語からイタリア語に翻訳する方が、翻訳者の数も多く、早く対応できる場合もあります。日本語と英語、2種類で原稿をお持ちの場合は、その旨を翻訳会社に伝えてみるといいでしょう。

    文字化けを防ぐ!レイアウトの注意点

    レイアウト時の注意として、イタリア語には「à, è, ì, ò, ù」などのアクセント付き文字があるため、フォントや組版で文字化けしないよう注意が必要です。欧文フォントとして一般的なTimes New RomanArialを使用すれば問題ありませんが、PDF化やシステム入力の際の文字コードはUTF-8対応を確認するといいでしょう。

    まとめ

    いかがでしたか。今回は文化とビジネスの両面で魅力的なイタリア語について、その歴史や特徴をご紹介しました。

    イタリア語は発音しやすく、日本の暮らしにも多くのイタリア語が溶け込んでいますが、名詞の性数変化や動詞の活用など、日本語とは大きく異なる点もあります。さらに、変意名詞や単語の結合など、一つの語に多くの情報が含まれる場合があるのも特徴です。こうした背景から、イタリア語を正確に翻訳するためには、文法だけでなく、文化的な理解が大切です。

    正確な翻訳はプロの翻訳会社へ

    ビジネスにおいて、翻訳の正確さは信頼性を支える重要な要素です。

    AI翻訳など便利な選択肢も増えていますが、セキュリティリスクや誤訳の懸念もあるため、専門性の高い文書や正確さが求められるビジネス翻訳では、安定した品質を提供できるプロに依頼するのが確実です。

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    とらんちゃん

    とらんちゃん

    「とらん」だけに「トランスレーション(翻訳)」が得意で、世界中の友達と交流している。 ポケットに入っているのは単語帳で、頭のアンテナでキャッチした情報を書き込んでいる。

    • 生年月日1986年4月1日(トラ年・翻訳センター創業と同じ)
    • モットー何でもトライ!
    • 意気込み翻訳関連のお役立ち情報をお届けするよ。

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